職長として現場を任されたなら「図面を書く」というスキルが必要となってきます。
とりあえず勘で材料を積んで、現場で合わせるなんてことをしていたら無駄な労力と時間がかかってしまいます。
前もって図面を書き、必要な材料、数量を出していくほうが品質の向上や時間の短縮にもつながります。
ほぼ毎日図面を書いてるワシが基礎から説明するぞ!
今回は実際の図面は使えないので、私が簡単な建物を設定しました↓↓↓
この建物に足場を書いてみましょう。
この記事を読めば基本的な足場図面は書けるようになります。是非とも図面マスターを目指してくださいね(^_-)-☆
「そんなこと知ってるし!」ってところは目次から好きなところに入ってきて下さい。
建物を書こう
まずは足場を書く前に足場を組む建物(ここでは家)を書いていきます。
ポイントとしてはまず全体の大きな数字をみて、四角形を書きます。(右上の入りズミは無視します)
こんな感じです
次に右上のへこんでいるところを消していきます。
あと玄関の場所はあとで必要となりますので書き足しておきましょう。
足場の割を出そう
ここでは足場の割をだしていきます。玄関などは開口するのですが、まずは全体の割からだしていきましょう。(今回は新築の設定で壁圧が60で設定しています。よって960離れで壁が仕上がったときの離れは900となります)
全体の横の割
足場の基本的な壁離れとして内柱から300を基準としたときに600組の場合は外柱から900となります(壁から内柱まで300+600組なので600=900)
計算方法ですが、私のやり方ですが、ここでは
9100(横の全体の長さ)-1800-1800-1800-1800-1800-1200-900=2000÷2=1000となり、横の全体のわりは5スパン1200が1スパン、900が1スパンとなり、最後に÷2をすることで均等に1000ずつの外柱からの離れとなります。(内柱から400)
ここでのポイントは電卓を使用する際にー1800-1800-1800~~~は面倒なので
9100-1800=、=、=、=、と押してみましょう。=を押すことで、「1800」を何回も引いていってくれます。
この機能が使える電卓を図面作成のときには是非使ってください。普通の戸建てのときはもちろんのこと、特殊物件など何十スパンとなるときなどはかなり便利な機能ですので。おすすめの電卓はこちら
全体の縦の割
では横の全体の割が出たので次は縦の割をだしていきましょう。
7280(縦の全体の長さ)-1800=、=、=、=-1200-900÷2=1010
縦のスパンは4スパン1200が1スパンで900が1スパンとなり、1010ずつの外柱からの
壁離れとなります。
横の割をさらに細かくする
横の部分でのポイントは玄関ですね。
リフォームはもちろんのこと新築でも玄関の真ん中にど~んと柱があると邪魔ですよね。
なので玄関前は柱をよけてあげなくてはなりません。そのことを玄関開口割といいます。
左から1820のところから1820の玄関スペースがありますね。
計算方法としては
1000-900-1800=-1700となります。
-1700?なにそれ??
大丈夫です、説明しますね。
まず、1000は左側の外柱から壁までの距離です。
んで1000を起点に(ー)で右に向かって引いていきます。
最初に900を引いたら100です。さらに1800を引いたらー1700になります。
どういう意味かというと、左から900、1800組んだら左の壁から1700のところに
柱がくるということです。そしてそこから1800をいれてあげれば玄関は開口できます。
縦の割をさらに細かくする
ここでは縦の割を細かくしていきます。
左面は真っ直ぐなのでそのままで良いのですが、右面がへこんでますよね。そこの部分を細かく割っていきます。
イメージとして右下から上に向かって計算していきます。
5460+1010-1800=、=、=-1200-900=1030となります。
まず5460は右下から出ズミまでの距離です。そこに1010(下の外柱からの距離)を足してそこを起点とし、1800を3回引きます。1070になりましたよね。さらに1200と900を引きます。すると
-1030になると思います。ここでの(ー)の意味は下から5460上にあがったとき1030さらに足場が出てるよ!ということです。要するに右上の横の壁離れは1030になることになります。
頭から煙がでていませんか?大丈夫ですよ!最初はみなさんここらへんで詰まってきます。
みんな最初はそんな感じですよ。では次にいきますね!
スパルタでごめんな(笑)
次は右から3640左にいったときに何のスパンが入り、入りズミの壁離れが何になるか調べていきます。
計算方法としては
3640+1000-1800=、=1040となります。
ここでは(ー)になってはダメですよ!壁の向こう側にいってしまいますからね(笑)
イメージのゴールとしては+900に一番近い数字をもってくる感じです。
3640(右から入りズミまでの長さ)に右面の壁離れ1000を足して、そこを起点とし1800を2回
引くと+900に一番近い1040になる感じです。
ここでの答えは右側から1800の2スパンで入りズミの壁離れは1040となります。
次は図面の左上から右側に向かって計算します。
5460+1000-1800=、=、=-1200-900=1040となります。
5460(左上から右の出ズミまでの長さ)に左面の壁離れ1000を足してそこを起点とし
1800を3回引いてさらに1200と900を引くと1040になります。
そうなると先ほど右面より3640入った入りズミの1040と一致しましたよね!
さらに上面から下に1800行ったら1030となり、先ほどの右下から5460上に行ったときの壁離れ1030と一致しますよね?
これで1cmもずれがない足場図面を囲えたこととなります。
ポイントとして、必ずゴールとなる数字が一致したか確認をしてくださいね!
一致してなかったらどこかの壁離れが違うこととなっているので・・・
高さ(足場の)を出します
次の工程として横の割も大事ですが、高さを出すことも大切な工程となります。
適当に組んだら上で軒天が邪魔になってしゃがむことになるし、最悪届かない場合は大工さんなどの職人さんが作業ができない足場となってしまい是正をしに行かなければならないからです。
この図面では比較的簡単にGLが一定として2階の最高軒高よりGLまで6000で設定しています。
ではいきましょう。
足場の高さは基本的に上から計算していきます。
2階の軒天から1800~1900下がったところが一番上の作業床となります。
高さがGLから軒天まで6000なのでまず6000-1900をします。ここが足場の最上段です。
私はビケ部材を使っているので、そこからさらに1900を引いて2200となりますね。
2200の中にはまだ1900が入るのでもう一度1900を引きます。すると300になるかと思います。
300の中には柱が入らないのでそこはジャッキで調整します。
まとめますと、ジャッキを300上げて1900(4コマ目)が1段目で、そこから1900(4コマ目)が2段目となって2段目より1900上に軒天があります。これに落下防止の2コマを足して
1900×3+2コマでビケ部材でいうとD,C,Aの柱になり、作業床が4,8という高さになります。
仕上がった図面はこちら
まとめ
いかかだったでしょうか。
足場の図面を書く順番としては
- 足場を組む建物を書く
- 全体の割をだす
- さらに障害物や玄関、勝手口などがあれば細かく割りつける
- 高さをだす
このような順番になります。
足場はどんなに大きな建物でも、どんなに細かい割が何度入ろうとも計算をきちんとしたら必ず最後はきれいに繋がります。
あとは実際に現場で施工するあなたの腕次第ですね!
足場を組んで最後に離れもレベルもきれいに繋がったとき達成感や満足感は大きいものです。
そのためにも足場を組む際には前もって図面を書いて、必要な部材や数量を出し無駄なく計画的に
足場を組むことをお勧めします。文章で伝えるのはすごく難しいジャンルでしたがあなたの図面作成のすこしでも役に立てればと思い、書いてみました・・・。
図面を書き慣れてきたらこのレベルはちゃちゃっと書けるようになりますよ!
この記事があなたのステップアップに役に立てれば幸いです。
もし分かりにくかったら動画も作ってみましたので(同じ建物)そちらも参考にしてみてくださいね。
最後までご観覧ありがとうございました(^^)/
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